耳鼻咽喉科の主な疾患

  • HOME
  • 耳鼻咽喉科の主な疾患

耳の病気

急性中耳炎(きゅうせいちゅうじえん)

【症状】突然の耳の痛み、耳閉感、難聴、場合により耳だれ。
【詳細】急性中耳炎は、中耳の粘膜が腫れ、膿がたまり、急性炎症を起こした状態です。
多くはかぜをひいた時などに、細菌が耳管(耳と鼻の奥をつなぐ管)から入り込んで感染します。炎症が起きると、中耳の粘膜が腫れ、膿がたまり、場合により鼓膜を破って膿が中耳から外耳へ排出(耳だれ)されます。抗生物質で治療します。近年、耐性菌が増え、難治化する症例が増えており、鼓膜切開が必要となる場合もありますが、お子様が恐怖心を抱くことが多いので、当院では有無をいわさず切開するようなことはしません。


5才、女児、2回の通院治療。

滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)


4才、男児、3回の通院治療。

                 急性中耳炎           滲出性中耳炎
3才、男児、5回の通院治療。

                                             切開後
7才、女児、3回通院後引かないため4回目に切開

                      

4才、男児、何度も滲出性中耳炎を繰り返すので(10回以上)、夏休みに病院に紹介して手術⁽鼓膜チューブ留置術)施行。

メニエール病

【症状】めまいを反復する。(時々だったり、頻繁に起こったり)めまいが起こる時、特に耳閉感、難聴、耳鳴りを感じることが多い。
【詳細】メニエール病は、内耳の障害によって起こる病気です。
内リンパ液が何らかの原因で増加し、内リンパ水腫が起こると、めまいや難聴、耳閉感、耳鳴りが起こります。発作を繰り返すうちに、めまいが治まっても耳鳴りと難聴が続く場合もあります。
低~中音域の聴力低下が多いので、難聴というより耳閉感のみ感じる場合もあります。
青年期、壮年期によく見られます。根治的治療法がないため、症状を緩和するなどの薬物療法が中心です。

突発性難聴(とっぱつせいなんちょう)

【症状】突然、片側の耳の聞こえが悪くなる。耳鳴りや耳がつまった感じがする。場合によりめまい、吐き気を伴うこともある。
【詳細】突発性難聴とは、ある朝目ざめたら突然片方の耳が聞こえなくなっていたというように、突発的に発症する感音性の難聴です。年代では20~50歳代の働きざかりの人に多い疾患です。
原因は不明ですが、ウイルス感染、疲労、精神的ストレスなどが引き金となり、内耳(耳の奥にある音を感じる部位)の血流が悪化し、発症すると考えられています。
突発性難聴は早期治療が大切です。発症から10日以上が経過すると、聴力が戻りにくくなるいわれています。治療は薬剤療法が中心で、連日点滴をする場合もあります

耳垢栓塞(じこうせんそく)

【症状】耳がつまった感じ、耳の中がゴロゴロする。
【詳細】耳あかがたくさんたまり、外耳道をふさいだ状態を耳垢栓塞といいます。
耳あかとは、皮脂腺や耳あか腺からの分泌物、外耳道からはがれた古い皮膚、外部からのほこりなどが混ざったものです。
普通耳あかは自然に排出されますが、体質的にたまりやすい人の場合、知らぬ間に耳あかが外耳道に充満してしまうことがあります。耳鼻咽喉科で吸引や耳用鉗子(かんし)などで除去する処置が必要です。


57才、男性、1回のみ。

外耳炎(がいじえん)

【症状】耳の痛み。耳たぶを引っ張ったり、耳の穴の周囲を押したり、物をかんだりすると、痛みが強くなる。
【詳細】耳かきや爪などで傷ついた外耳道の皮フから細菌が感染し、炎症を起こします。
外耳道の入り口に近い毛穴などに細菌が感染し、化膿(かのう)した状態になる限局性外耳炎(耳せつともいう)、外耳道全体に炎症が広がるびまん性外耳炎の2種類があります。びまん性外耳炎の原因には、細菌感染のほか湿疹、染毛剤によるかぶれ、慢性中耳炎での耳漏などがあります。
外耳道を洗浄、消毒して、抗生物質やぬり薬での治療を行います。

外耳道異物

【症状】耳の異物感、動くと耳の中でガサガサと音がする。
【詳細】髪の毛が入り、先端が鼓膜に当たると、体動のたびにガサガサします。夏場は小さな虫が入ることもあります。小さな子どもはビーズなど小さな物を耳に入れることがあります。いずれも摘出除去します。


62才男性、髪の毛。1回のみ。

のど、はなの病気

急性副鼻腔炎

【症状】悪臭のある膿性鼻水や鼻づまり。頰や鼻のつけ根、歯、前頭部などに痛みを感じる。
【詳細】急性副鼻腔炎は、鼻腔の周囲にある副鼻腔に急性の炎症が起こった状態です。
ほとんどの場合、かぜによる鼻腔粘膜の炎症が原因です。まれに虫歯や外傷からの細菌感染が原因となることもあります。
治療せずにおくと慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に移行して、場合によっては手術の必要も出てきます。
抗生物質や消炎鎮痛剤、去痰剤を内服して、早期に治療することが大切です。


26才、女性、2回通院で軽快。

慢性副鼻腔炎(蓄膿症)

【症状】粘液性の鼻汁、うみのような鼻汁、鼻づまり、頭重感、嗅覚障害、後鼻漏(鼻汁が喉にまわること)。頰などに痛みを感じることもある。
【詳細】副鼻腔が慢性的に炎症を起こしている状態が慢性副鼻腔炎です。空洞にうみがたまるため「蓄膿症」ともいいます。マクロライドという種類のお薬の少量長期投与が治療の主流です。薬物で改善が見られない場合は、手術が考慮されます。近年、内視鏡下鼻内副鼻腔手術により、痛みも少なく手術できます。

                     58才、男性、断続的に18回通院         慢性副鼻腔炎による鼻茸(ポリープ)
                                           38才女性。6回通院しても改善が
                                           見られず、希望もあり、手術目的
                                           に病院に紹介。           

アレルギー性鼻炎

【症状】くしゃみ、鼻水、鼻づまり。
【詳細】鼻腔粘膜が、ある物質に対してアレルギー反応を起こして、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状があらわれます。アレルギーを起こす物質(アレルゲン)には、花粉、ほこり、ダニ、カビ、ペットの毛、ふけなどがあります。特定の花粉によって引き起こされるアレルギー性鼻炎(花粉症)は、その花粉が飛ぶ季節にしか起こりませんが、ほこり、ダニ、ペットの毛などが原因の場合は、一年中鼻炎の症状が続きます。アレルギーの原因となっている物質を特定し、その物質を除去することが大切です。鼻づまりが特にひどい場合は手術が考慮されます。


25才、女性、軽快した写真は4週間後の3回目の通院時の写真。

花粉症

【症状】くしゃみ、鼻水、鼻づまり、嗅覚異常などの鼻の症状のほか、目のかゆみや涙が出るなどの目の症状がみられる。耳、喉、皮膚のかゆみ、頭痛、せき、微熱、だるさなどが伴うこともある。
【詳細】人体にとって異物である“花粉”が引き起こすアレルギーを花粉症といい、現在では日本人の4~5人に1人が花粉症と推定されています。
アレルギー反応を起こす花粉はさまざまです。もっとも患者が多いのはスギ。他に、ヒノキ、カモガヤなどのイネ科雑草(5~7月)、ブタクサなどのキク科雑草(8月末~10月)などがあります。
好発年齢は10~40歳代が中心ですが、近年低年齢化しています。遺伝的にIgE(免疫グロブリンE)抗体というたんぱく質を作りやすい人が花粉症になりやすいと考えられています。
近年、花粉が飛び出す1~2週間前(症状が出る前)からお薬を服用する“初期治療”がすすめられています。

鼻腔異物

【詳細】小さなお子様は、ビーズなど小さな物を鼻の中に入れることがあります。


2才、男児、1回のみ。

鼻腔腫瘍

【症状】鼻づまり、鼻出血
【詳細】写真は長年鼻づまりで耳鼻咽喉科に通院していた患者様ですが、改善せず当院を受診され、良性腫瘍が発見されました。


71才、男性、通院は1回のみ、すぐ病院に手術目的に紹介したため。

急性扁桃炎

【症状】のどの痛み、発熱
【詳細】急性咽頭炎とは、俗にいう「喉かぜ」です。
咽頭全体が炎症を起こしている状態で、ほとんどの場合、かぜを引き起こすウイルスや細菌に感染したことが原因です。
急性扁桃炎は扁桃腺に細菌やウイルスが感染して、扁桃腺が腫れ、場合により膿がつきます。
抗生物質や消炎鎮痛剤やうがい薬で、治療を行います。